債務整理の相談を受ける中で、「何年も払っていなかった借金について、急に○○日までに支払えとの請求書が届いて困っている」との相談を受けることがよくあります。こうい
・・・(続きはこちら) 債務整理の相談を受ける中で、「何年も払っていなかった借金について、急に○○日までに支払えとの請求書が届いて困っている」との相談を受けることがよくあります。こういった場合、弁護士であればまずは時効の可能性を考えます。
相談に来られる方の中には、時効にかかっているはずの債権を請求してくるわけがないと思っている方がいらっしゃいます。中には弁護士からの請求書もあり、猶更そのような請求はないと思ってしまいがちです。
しかし、実際にはよくある話です。民法では、時効は単に期間が経過するだけでは効果が発生せず、「援用」(実務上は内容証明郵便を送るのが一般的です)をしないと効果が発生しないことになっています。そのため、援用前であれば上記のような請求も特に支障はないことになります。
援用すれば消滅してしまう債権であっても債権者がわざわざ請求してくるのには理由があります。時効については債務者が放棄することも可能だからです。債権者としてはプレッシャーを与えて、債務者から「支払を待ってほしい」といった発言や、とりあえず1000円だけ支払うとアクションを引き出す目的があります。このような反応をしてしまうと時効の権利を放棄したとみなされ、後から気づいても時効を援用することはできなくなってしまいます。
そのため、時効期間が経過したのに届いた債権者からの手紙や請求書に反応するのは危険です。当時は少額だったから大丈夫と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、時間が経っていればそれだけ遅延損害金が発生するため、元本をはるかに上回る遅延損害金を請求されているケースも珍しくありません。こういった手紙や請求書が届いた場合は安易に連絡はせず、弁護士へ相談することをお勧めしています。